# 2025/02/03

昼過ぎからJと会う約束をしている。早めに家を出て、出先のドトールで研究をする。いつも通りデリダを読み、気になる箇所をノートにメモする。どうしてもその場で解消したい問題は、AIのアプリで質問してしまう。僕のAIにはすでにデリダの文章を与えてあるので、スムーズに議論ができる。最近利用し始めたAI、Claudeは回答の語調をセッティングできるのだが、「説明的」というモードに切り替えたところ、説明が詳しくなった。研究にはこれが適していそうだ。今日の研究で興味深かったのは、AIが回答でミスをしたことだ。質問にまったく関係のない箇所を引用して、それを読解の根拠にしていた。ひょっとすると僕が読み落としているだけの可能性もある、と思い、「前後の文脈上、その引用は適切なのか?」といった趣旨のことを問うてみた。「不適切だった、申し訳ない」(大意)とのこと。しかし、この誤りの回答をじっくり考えてみるに、間接的には非常に興味深い議論になりうる気がした。AIはデリダの「副署」という概念と「正義」を(一応)不当にも結びつけてしまったのだが、しかし僕の考えでは、この二つは切り離さずに論じた方が良い。そこで、改めて「先の読解自体は誤りだったが、議論自体は興味深いので、副署と正義をつなぐ論理を展開してくれ」と指示を出してみる。すると、「今読んでいる文献からは明確には言えない。他の著作、たとえば『法の力』をあたってくれ」とのこと。いやぁ、優秀すぎる。この精度の回答が、スマホでLINEを送るのと同じ労力で得られてしまうのは恐ろしい。とんでもない時代だ。

日中はJと過ごし、夜はギターを少し弾く。それから日課のフランス語の練習をする。フランス語の教材の難易度が上がってきたが、しかし僕はすでにフランス語の単語や文法を理解している。アウトプットの反応速度を上げる練習になっていて良い。明日の夜、余裕があったらドイツ語に手を出してみたい。外国語の勉強を音から入ってやる、という実験をしてみたいのだ。「読み書きは苦手だが、喋るのはある程度できる」という状態が作れるのか気になる。