# 2025/03/03

判断力批判を読んでから研究開始。研究がどんどん面白くなっている。今日は午後に予定があるので1時間くらいしかできないが、しかし1時間というのは集中力・注意力の限界だという気もする。1時間を超えると、読解とは別の仕方で研究をする必要があり、具体的には、AIと対話したり執筆したりすることにしている。ともあれ、今日は読解まで。

昼食を簡単に済ませ、30分だけ動画編集。案の定、少しやりすぎてしまう。少し遅れて家を出る。

シンポジウムへ。学問の社会実装と、文系研究の有効性が話題だった。面白かったのは、対話が難しいのは文理の間ではなくて、「フィールドサイエンス」と「ラボサイエンス」の間だ、という意見だった。フィールドサイエンスの場合は、同じ領域に対して異なる視点を持っているだけならば、文理の対話は比較的容易だという。それに対してラボサイエンスは、そもそもフィールドと関心のあり方が違う、という問題があるようだ。しかし、とはいえ、哲学の思想研究に関してはそうとも言い切れないのではないか、と感じた。というのも、シンポジウム終盤にあったポスターセッションでは、全く異なる分野の先生方と問題なく対話できたからだ。「グルーヴ」の研究をされている藤井先生という方とお話をしたのだが、議論の枠組みがまるで異なるとは感じなかった。むしろ、哲学で身についているスキル——相手がどういう概念セットで、どういう枠組みで議論しているのか、ということを理解するスキルが発揮できたと感じたのだ。要するに、相手の話を聞いて理解する、理解できない場合はどこが分からないかを特定する、という営みに関しては、かなりイケるようだ。「文系」学問全体の社会的プレゼンスに関しては特に意見を持ち合わせていないが、少なくとも哲学の思想研究——思想史研究なんかはまた全然違うのだろうが——は、かなりの対話可能性に開かれている。むしろ対話をしていくという試みにおいてプレゼンスを発揮できるのではなかろうか。「哲学対話」みたいなものが企業の中でも取り入れられ始めているようだが、一般の人とやるだけではなくて、他分野の専門家と「哲学対話」ができればかなり実りあるものになるはずだ。

嬉しい気持ちで帰宅。夕食を食べ、フランス語のレッスンをやり、ヨガをする。