朝はダラダラして、修士のときに同じゼミだった友人Fとランチ。メキシカン。タコスを食べる。鬼うまい。クセのある野菜が生で入っているのが良い。タマネギやパクチーを生で食べると、後味が口の中に長く続いて嬉しい。彼ととりとめのない抽象的な話をする。思考がドライブして、すごく早く喋った気がする。彼の頭の使い方が好きだ。ケチケチしていない。考えたいことを考える、という感じ。かといって、無思想というわけではまったくなく、深く考えている。俺はいつも仕事みたいに考えてしまう。目的とそれに対するアプローチとしての思考。もっと優雅に考えたい。
夕方まで茶をすすりながら話す。国家運営のためには税が必ず必要だ、という話が面白かった。言われてみれば当たり前なのだが、しかし非常に示唆的な視点だった。というのも、われわれのコミュニケーションが言葉の交換=経済なのだとすれば、その都度の言葉の交換において税みたいなものが発生しているかもしれないと思ったからだ。つまり、それぞれの一度限りのコミュニケーションが、ある言語体系という「国家」の維持に寄与するような働き=「税」を持っているかもしれないのだ。このアイデアは重要で、というのも、俺のデリダ読解には「システム全体」という視座が欠けているからだ。いやぁ、面白い話ができた。
夜から元のバイト先の歓送迎会がある。時間を潰す。よもぎ饅頭を食べたくて渋谷の街を彷徨ってみたのだが、当てにしていたセブンイレブンに売っていなかった。歩き回っているうちにもっとお腹が空いてきて(昼のタコスがちょっと少なかったかもしれない)、カフェでベーグルを食べる。悩んだ末にチョコ味のベーグルをレジに持っていったのだが、ほぼ同じ味のココアを注文してしまった。絶対クランベリー味だったな。ゆっくり「判断力批判」を読む。
歓送迎会は大いに盛り上がり、送迎してもらう。かなり長く働いた。3年くらい?職場は非常に働きやすいのだが、家から遠いのと、最近他の仕事で忙しくなってきたのでやめることにした。こういう形で色々仕事が舞い込んでくるとは思ってもいなかった。嬉しいことだ。前向きな退職。明るいメンバーで、楽しい日々だった。そして楽しい宴会だった。