人間生活の収録を終え、ゲストの丸メガネと3人で昼食。その後現代人とは別れ、丸メガネと神南カフェに行く。初めてだ。長年、いつも混み合っているシャレたカフェだという認知はしていたが、入店できずにいた。ちょうどお腹の具合が悪く、カフェインを摂取しないでいられるカフェを探していたところで、ここを見つけた。
重いガラス戸を開けると、まず予約があるか聞かれる。このカフェには午後の3時に予約をしていく人がいるのか。すごいことだ。もちろん予約などしていない。しかし席は空いているとのことで、地下に案内される。地下があるのは知らなかった。今まで「混んでいる」と判断してスルーしていたのだが、地下があるなら話は変わってくる。外から見えないところにもスペースがあった。
かなり広々していて、席の間隔も空いている。座席の種類も様々で、一人がけのソファもあれば、ハンモック風のものもあった。もちろん、一般的な木枠にクッションが乗せられたものもあり、われわれが案内されたのはそういうタイプだった。
天井も高く、ゆとりを感じる。しかしそういう視覚的な印象とは裏腹に、混み合った店内の音は学食のようだった。あらゆる方向からあらゆるピッチの声が聞こえてきて、それぞれが混ざり合っている。おとなしい飲み会よりも賑やかだ。まあ、これだけ広々していたら、それなりの声量で会話したくなるのもわかる。おそらく、独り言でぶつぶつ言っていても特段不審がられはしないだろう。語学の練習なんかには最適かもしれない。あるいは、哲学書の音読をしてみてもいい。
御多分に洩れず、丸メガネとはそれなりの声量で久々の会話を楽しんだ。小雨が降る渋谷を散歩して夕方に別れる。