修了式。僕は節目にちゃんとイベントをやることを大事にしている。特に理由はない。かつて恩師に「節目を大事にしない奴はダメだ」と言われたのを引きずっているだけかもしれない。式典にはちゃんと出席しろと言われて以来、ちゃんと入学式も卒業式も行っている。と、書きつつ思い出したが、博士課程の入学式に行く気はないのだった。いつやるのかも知らない。
特段、刺激的な話が聞けたわけでもないし、校歌(塾歌)も知らないし、雨だし、スーツだし……、と、とりあえず小一時間、退屈に耐えるだけの時間でしかなかったのかもしれない。が、あの嘘みたいな厳かさに身を浸すことが大事なのだ。なぜ、何のために大事なのかは分からない。そういう神秘的な大事さがある。僕はそれを信じてみているのだ。