三連休、目一杯遊んで、平日が戻ってきた。平日と休日を分ける、という実験を始めてから、初の平日だ。今日は朝から散歩をし、一日のタスクを整理して時間割を組んでから作業をしている。固定されたスケジュールの都合上、自由に使える日は火曜日だけ、場合によっては月曜日も、という具合になっている。今日は今週唯一の作業日だ。週に一日しか作業日がないので、さすがにタスクが溜まっている感がある。土曜日も少しは作業するようにしようか。日曜日にしっかり休むのはアリだ。エマニュエル・レヴィナスは敬虔なユダヤ教徒だったため、日曜日はペンすらも握らない安息日にしていたようだ。日・祝を休むようにすれば、オンとオフのバランスが良さそうだ。
タスクを高い集中力で消化する、という当たり前のことを始めたわけだが、すでに改善点が見つかっている。金曜日のうちに、今日のタスクの時間割を組んでいた。だが、週末の間に新しいタスクが舞い込んできたり、やるべきことを思い出したりした。スケジュールをあらかじめ固定してしまうと、組み直す手間がかかる。タスクだけリストアップしておいて、当日の朝にスケジュールを考えるくらいでいい。それから、スマホでタスクとスケジュールを管理しようとしていたのだが、それだとオンオフの切り替えに差し支える。スマホは休日に遊んでいるときも持っているから、頭の中で常にタスクがチラついてしまう。動かせない予定——人と会う約束や書類の締め切り——はスマホのカレンダーに入れておけばいいが、その他のタスクは紙で管理するのがいい。肥大したカレンダーは休日を窮屈にする。
生活スタイルを少し変えたせいで、昨日の夜から少し緊張感がある。慣れないことをやっていて、頭を使いすぎている。まだリズムを掴めていない。2,3ヶ月やれば変わるだろうか。脳が緊張しているせいか、いつもよりも文章を打つ手が遅い。もっとスラスラと、リズムで書きたいのに、内容を頭の中で考えてしまっている。実は緊張感が原因なのではなくて、昨日も執筆をしたからかもしれない。ここのところ、執筆のペースが落ちていた。一時期は毎日のように文章を書いていたのに、最近は週に1,2回だ。そのせいでアウトプットの流れが遅くなっているのかもしれない。関係があるかはわからないが、ここ1週間ほど、便秘気味だ。「出す」方のエネルギーの流れ、気の流れが滞っている。そんな中でも、少し踏ん張って文章を書き連ねていくことが大事だ。アウトプットの回路の整備になる。
スマホでスケジュールを管理しない、というので思い出したが、机の前に付箋とA4の白紙を用意して、ペタペタとスケジューリングするといいと思った。そうすればアナログで整理できる上に、可変性も高い。いま「可変性」と打ったが、一旦「流動性」と打ってから「可変性」に書き換えた。アナログのスケジュール管理で「流動性」というのは、語感として少しチグハグな印象がある。デジタルで管理するときは「可変性」「流動性」どちらも使える。デジタルは0/1だから、一見「流動性」は不適切に見える。しかしアナログにおける「流動性」の方が変だ。おそらく、ここで「デジタル」と呼んでいるものは実のところ「インターネット」であり、情報が流れていくイメージがあるからだろう。アナログの情報は、それぞれに固有の場所がある。たとえば、机の前のA4の紙、というふうに。
タスクのスケジュールを組むことは、タスクに時間を割り当てることだ。言い換えれば、タスクに、それ固有の時間的な場所を与えることだ。僕はあまりに流動的な環境に耐えられない。千葉雅也さんの小説『デッドライン』で、主人公がはゲイとしてハッテン場で流動的な人間関係に入っていく。見知らぬ人とその場で出会い、その場で交わる。あるいは少なくとも、素性をよく知らないままに関係を持つ。しかも、その出会いの場はなんだかのっぺりとしていて、温もりに欠けているように感じる。ある程度固定的なメンバーの各々と適切な距離感を保つような人間関係の方が好きだ。あるいは、お気に入りの場所で出会う人たちとの社交の方が好きだ。Z世代に属するのだろうが、僕自身はあまりインターネット的じゃない。もう少し不便なアナログの方が居心地が良い。
タスクが次々に(まさにインターネットを介して)流れ込んでくるような状況を意図的に避けるべきなのかもしれない。実際、休日にメールを開いてしまったせいで、週明けのタスクを一つ手にしてしまった。週明けのタスクは週明けに取ってくればいいのであって、休日から手元に置いておく必要は全くない。
こうやってぐだぐだとタスク処理について書いてきたが、要するに疲れているのだろう。限りある体力の中で、いかにタスクと向き合うか、というのを考えなければいけないほどに疲弊しているのだろう。まあ、少しずつ回復していくしかない。それに、今みたいなリソースが限られている状況でしか手に入れられない習慣や方法があるだろう。緊急の締め切りが差し迫っているわけでもない。ちょうどいいタイミングだ。自分のペースでシステムを構築していく。