型をつくる

こうして毎日文章を書いている。これは「ブログ」であり、より古典的な言い方をすれば、「日記」だ。日記という形式で書かれている。

最近はあらゆる創作物の形式と流通に注目している。形式と流通をしっかりと型にはめてあげれば、それは一つのジャンルとして認知されうる。たとえば、noteで長編小説を書くのは、少なくともnote内で完結させようとするならば、基本的には悪手だ。第一に、特にこだわりがないのならば縦書きにするのが小説の型だ。したがって、インターネットは小説をアップするのに適しているとは考えられない。また、基本的に出版社を通して流通させるのが小説の型だ。昨今は電子的に出版することもあるが、それでも出版社を通すことは一応の型になっている。

こうやって型にはめることの重要性を説くと、「自由じゃない」と思われるかもしれない。だが、小説の中身はどこまでも自由ではないか?それでは不十分なのか?そうだとすれば、現行の型から外れるための必然性がなければならない。型から外れることに関して、自分と他人を納得させなければならない。たとえば、坂口恭平さんは出版前の原稿をnoteにアップしているが、その必然性が説得力ある形で示されているように感じられる。彼くらいの強度でやらないと、型から外れるやり方は上手くいかないだろうが、彼くらいの強度をもったやり方でやるのは非常に難しい。

noteの形式でしかできないことがあるが、しかしnoteの形式ではできないことがある。当たり前のことだ。では、自分のホームページでは何ができるのか。今日こうしてホームページを立ち上げたのは、noteの外にある可能性を追求してみるためである。インプレッションは減るかもしれないが、ここにわざわざ読みに来てくれる人たちは大切なお客さんだ。自分の活動を宣伝する目的で「いいね」を押すハイエナみたいな連中(自分がそこに属していないとは言い切れないが)とはわけが違う。この場所から少しずつ何か社会みたいなものが生まれれば嬉しい。

ここにしかない型が少しでも力を持つことを祈って。