# 2025/04/25

お寺のお手伝いと授業の間に陶芸教室に寄って、教室の代表の展示を見る。ものすごい強度と日常の柔らかさが両立していて、衝撃を受けた。すごいアーティストだ。展示を見終えたあと、お茶を出してもらって少し話した。普通に人生相談みたいなことをしてしまったが、励まされた。自分の生を営んでいるアーティストでありながら経営者でもあるその生き方が心強かった。

一番印象的だった作品は、一度作った作品を粉砕して、もう一度組み上げ直して完成させたものだった。大きなものを描いて、小さくして、また大きくする。小さくするというのがどれほど難しいことか。

授業では、教授に年間3本論文を書くように勧められたが、無理だと思った。素直にそう伝えると、俺は問題を大きく立てすぎているのだという。もっと細かく、ローカルな議論を積み重ねれば論文なんて簡単に書ける、というのだ。たしかに、俺はたぶん、デリダのおおよその全体像を掴みつつある。大きな話、最も大きな話から議論を始めている。そして論文のたびに大きな発見と飛躍がなければいけないと思ってきた。だが、もっと細かくやっていいのだ。

俺の強みは、すでに大きなビジョンを持てていることだ。だとすれば、それを一度粉々に砕けばいいだけ。ちょうど、教室の代表がやっていたみたいに。二人の「先生」に励まされた。